徘徊演習

川沿いを何度も往復しながらで徘徊した場合、GPSはどのように表示されるか

2022年12月24日、川沿いを何度も往復しながらで徘徊した場合、GPSはどのように表示されるかを検証すべく、
認知症徘徊GPSセンターの事務局が多摩川沿いで開催された「GREEN PARK MARATHON in KANAGAWA CHARITY RUN」に参加してきました。

ちなみに「GREEN PARK MARATHON(グリーンパークマラソン)」は、『ランニングを通して環境問題について考えてみる!』がコンセプトのマラソン大会で参加費の一部は、みどりの保全・創出などに取り組む団体や事業へ寄附されます。

さて、何故川沿いで認知症徘徊の演習を実施したかと言いますと、「認知症高齢者の徘徊対応マニュアル(改定版)※」によると認知症高齢者が亡くなった方の原因(死因)としてはは溺死及び水死(合わせて約50%)と水辺で死亡される例が多いようで、この水辺でのGPSの演習をすべきだと考えました。

認知症徘徊GPSセンターは、認知症高齢者の日々の行動(移動経路)を把握していることで、万が一GPS端末機を持たないまま外出してしまっても、捜索場所を絞って探すことができるように任意の間隔(例、10分毎)で自動的に位置検索をすることができ、今回の徘徊演習では5分間隔の設定をしました。

※愛知県・国立長寿医療研究センター、平成29年度愛知県認知症対策・支援事業「徘徊高齢者の効果的な捜索に関する研究等事業」

■目的
川沿いを何度も往復しながらで徘徊した場合、GPSはどのように表示されるか

■徘徊経路
多摩川沿い(諏訪いこいの広場[二子新地駅徒歩約7分、二子玉川駅徒歩約15分])を午前11:00から出発
※片道約2.6キロ、4往復、約21キロをGPS端末機をズボンのチャック付きポケットに入れて1キロ約5分で走る

◎まとめ
徘徊演習では川沿いを何度も往復したが、しっかりと走っていた道上で測位された
(時計マークはGPS端末機を測位した位置でマークの色により測位精度(高:緑/中:青/低:赤)を見分けることができる


認知症の徘徊対応でもっとも重要なことの一つは、「とにかく早く徘徊で行方がわからなくなったことに気づく」ことです。
気づかなければ、当然に探すこともしません。認知症徘徊は時間経過とともに、行動範囲が広がり、見つけることが難しくなります。
だから私たちは、GPS端末機の機能として、任意の間隔(例:10分毎)で自動的に位置検索を行ったり、設定したエリア(家から半径200メートルなど)から出入りした場合にご家族(契約者)にメールが届くような仕組みも設けています。
だからこそ早く徘徊に気づき、保護につながるのです。

認知症で行方不明になると、家族だけで探そうとして結果的に手遅れになってしまうことがあります。
家族だけで抱え込まず、最寄りの警察署や、地域包括支援センター等の専門家の方に協力を依頼することが大事です。

最後に「身元不明の認知症高齢者等に関する特設サイト」(厚生労働省)をご紹介します。
身元不明の方の情報をホームページ上で公開し、掲載情報についての照会への回答や心当たりがある方からの問い合わせへの対応などが行われています。

関連記事