認知症徘徊コラム

認知症高齢者が介護施設でGPSを使うメリットと4つの注意点


 超高齢化社会が進んでいるなかで、認知症患者も年々増加しており、2023年には「認知症」に関する初の法律【認知症基本法】が成立しました。
認知症患者を抱える家族は、日常生活に家族の介護が加わることによって、「気軽に外出ができない」「徘徊していないか心配」などの肉体的・精神的負担が増えてしまい、日常生活に制限が生じてしまうこともあるのではないでしょうか。

 さらに「徘徊」では昼夜問わず外に出てしまい、事件や事故に遭う可能性も高くなってしまいます。認知症患者の介護は簡単なことではなく、心身ともに休める時間が減ってしまうでしょう。
 そのため、在宅介護では限界を感じて施設入所を検討する家族も多いです。
当社(認知症徘徊GPSセンター)でレンタル申し込みする方の中には、施設入所にあたって施設スタッフと相談され、GPS機器をレンタルすることを決めた方もいらっしゃるようです。
 また、最近では施設スタッフの方からも「施設入所の方が徘徊をしてしまい困っている」とのことで、GPS機器レンタルのお問い合わせが増えています。
GPS機器は、自宅に限らず入所施設内でも非常に役に立ちます。

 認知症高齢者が、介護施設でGPS機器を利用するメリットは多岐にわたります。
今回の記事では「介護施設でGPSを使うメリット」と、使用するにあたって「施設側の注意しておきたい点」などを踏まえて紹介します。

 

1.認知症患者が介護施設でGPSを使う5つのメリット

 次に、認知症高齢者が介護施設で、GPSを利用する際のメリットを説明します。

安全面
 GPS機器は本人の位置情報を迅速に把握することができるため、安全面で大いに役に立ちます。
認知症の高齢者が徘徊した際、GPS機器で場所を把握することで即座に対応でき、危険な状況を回避したり利用者を守ることができます。

ケアの質の向上
 例えば施設内で迷子になったとしても、GPS機器を持っていればすぐに発見することができたり、即座に物事に対応できたりします。
そうすることによって利用者の不安やストレスを減らすことができるため、適切な支援ができます。

安心感が得られる
 GPS機器の使用で精神的な安心感が得られるメリットは大きく、実際に当社サービスのご利用者様から「安心できた」というような声をいただくこともあります。
日常生活を送る上で、いつでも位置情報で居場所を確認できるということは、介護する家族の精神的なストレスや負担の軽減に繋がり、大きな心の支えにもなっていくでしょう。

複数人での見守りが可能
 当社のGPS機器は、施設に入所している方に対して複数人の見守りが可能です。
施設スタッフのほか家族も見守りができるので、離れていても安心できます。

緊急時に迅速な対応が可能
 GPS機器は緊急時の対応においても非常に役に立ちます。
例えば認知症高齢者が施設から外に出てしまった場合、GPS機器を持っていれば即座に位置情報を把握でき、早期解決に繋げることが可能です。
また、当社のGPS機器は「現在の位置」だけではなく、その位置に行くまでどういう「移動経路」だったかを記録できる機能がございます。
普段からの行動パターンも把握しておけば、行動予測も可能で効率よく探すこともできます。
 GPS機器を持つ方の中には、位置情報を他者に把握されることに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、「徘徊行動」で困っている方や本人の安全を考えると、非常に有効な機器だと考えます。

2.GPS利用のデメリットや注意点

 GPS機器を持ってもらうことは、ご本人のプライバシーを守ること、人権や尊厳への配慮が第一になるので、特に注意して取り扱っていくと良いでしょう。
ここでは、GPS機器を利用する際のデメリットや注意点を紹介します。

GPS機器のデメリット
 デメリットはGPS機器を持つ側、つまり徘徊をしてしまう本人が大きく感じると思います。

「居場所をいつでも見られてしまう」
「自分がどこにいるかすぐに分かってしまう」
など監視感に抵抗があり、持つことを拒否する方も多くみられます。
持たせ方事例」や「認知症徘徊対策のGPSを入れる「専用のお守り」は持出し策にもベスト」では、ご本人の尊厳を傷つけず、抵抗なくGPS機器を持ってもらう方法を提案しているのでご覧ください。
その他のデメリットとしては費用がかかる、故障することがあるなどがあげられます。

プライバシーを守ること
 GPS機器を持つことで、行動や居場所をリアルタイムで把握しやすくなります。
迅速に対応できるというメリットがある反面、プライバシーに配慮することが必要になってきます。

患者にしっかりと説明する
 認知症患者にGPS機器を持ってもらうことは、スムーズにいかない時もあります。
自分の居場所を把握されることに抵抗がある方もいるでしょう。
その際は、しっかりと説明して理解を得ていくことが大切です。

施設側で適切な使用方法を共有する
 施設でGPS機器を使用する際は、スタッフ同士で適切な使用方法をしっかりと確認し共有しておくことが大切です。
スタッフ一人一人が適切な使用を意識することで、より良いケアがしやすくなるでしょう。

対人コミュニケーションを大切にする
 GPS機器は非常に便利な反面、対人コミュニケーションを簡略化してしまう場合もあります。

徘徊をする認知症患者に対し
「GPSを持っているから少しくらい離れても大丈夫」
「すぐに見つけられるから大丈夫」
などと安易にGPS機器に頼ってしまうと、場合によっては大きな事故に繋がる可能性もあります。

 GPS機器にはできない「会話」はもちろん、「仕草」「表情」などといった非言語的コミュニケーションからも読み取れることがたくさんあるので、常に患者とのコミュニケーションをとることを忘れないようにしましょう。

3.GPSは認知症患者や施設にとって補助的なツール

 GPS機器はあくまでも補助的ツールの位置付けであり、認知症患者に対して信頼関係を築くには、人とのコミュニケーションが大切になってきます。
しかし、ご家族や施設スタッフが認知症患者の徘徊対策に困っているときには非常に有効であり便利なツールとなるでしょう。
患者本人の安全や、見守る施設スタッフや家族への安心を得るのにとても役に立ち、ケアの質の向上と患者に合わせたケアの提供をすることができます。
適切な使用方法を習得し、患者のプライバシーと尊厳を守りながら積極的に取り入れていけるといいですね。

4.当社のGPS機器について

 当社のGPS機器では、初期費用0円で月額3,080円(税込)・1ヶ月単位でレンタルできる「レンタルプラン」がおすすめです。
また、いざという時の「関係者配布カード(5枚)」も付属されており、万が一駆け付けが必要な場合、ご家族や住み慣れた地域でなじみの人間関係で助け合い、迅速な初動に繋げることができます。(実際に関係者による多くの検索・保護がされています)
 お急ぎであれば決済完了後最短1〜3営業日で発送が可能なので、すぐにでもレンタルしたいという方は検討してみるといいでしょう。

 自宅介護に限らず介護施設でも役に立つGPS機器ですが、安心して暮らせる環境とより良いケアの提供をしていきたいものです。

参考記事
・認知症徘徊GPSセンター GPS端末の特徴
・認知症徘徊GPSセンター プランと費用
・老人ホーム相談プラザ

https://www.ninchisho-haikai-gps.com/gps_rn/wp-content/themes/cure_tcd082/img/common/no_avatar.png

執筆:腰塚 侑香里(介護福祉士)
介護福祉士9年目の30代3児の母。介護職の楽しさを発信するためwebライターとしても活動中。大学卒業後、金融機関に就職するもやりがいを感じられず介護職に転職。デイサービス→結婚を機にリハビリ施設へ。介護士として毎日楽しく高齢者に寄り添いながら働いています。

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