認知症徘徊コラム

迷子になりがちな老人の徘徊もGPSで位置情報が分かれば安心!

老人が徘徊を始めるのはある日突然です
対策が間に合わずトラブルにあってしまうこともあり、実際、認知症老人の行方不明者は年々増加傾向にあります。
しかし、事前にGPSを持ち歩けるよう対策をしていれば、例え行方不明になってしまっても発見する確率を大幅に上げることができるのです。
今回の記事では、迷子になりがちな徘徊老人がGPSをもっていることで、本人及び周りの人間にどのような効果があるのか、説明していきたいと思います。

1.GPS端末があれば迷子になっても位置情報が分かるということ

認知症の初期段階では、「徘徊をして迷子になるかもしれない」と考える人はほとんどいません。
認知症初期の場合だと、そもそも本人も家族も認知症ではなくただの物忘れだと思っていることも多いもの。
しかし、気のせいだと思ったまま認知症が進行すると、ある日急に道が分からなくなり、家に帰れず、右往左往しているところを市民や警察に保護されることがあります。
実際徘徊老人に関する問題は各自治体でも問題視され、地域全体で取り組んでいるところも増加傾向です。
徘徊が始まっても最初の頃はこまめに電話して所在や状態を確認することも効果があります。
けれど、ずっと電話で大丈夫か、というと大丈夫とは言いきれません。
認知症も初期は電話にも出られますが、認知症が進行すると認知症の症状の一つ、「失行」が進み電話の使い方も忘れてしまうことがあるためです。
そうなると、いくら電話をかけてもほとんどつながらなくなってしまいます。
それでも外に出たいという気持ちがあると、徐々に自分が迷子になることを忘れ、外出・徘徊を繰り返してしまうことになりがちです。
しかし、本人を強く否定したり、注意したりということはストレスや症状の悪化につながります。
何とか所在を確認したい、行動を把握したい、けれど本人からの協力は期待できない…。
このような場合に効果が期待できるのが「GPS端末」です
「GPS端末」を持ち歩いていれば、家族が確認しようと思ったときにいつでも「GPS端末」を持っている人の位置情報を確認、追跡することができます。
それだけでなく、この「GPS端末」には自分で設定した生活圏内から離れた場合、契約者に通知が届く機能があり、一定の距離を離れたその瞬間に状況を知ることができるのです。

2.実際にGPSを利用した家族の声

以下では実際に認知症徘徊GPSセンターに届けられたお客様の声をご紹介いたします。

1.静岡県の方
認知症で徘徊する祖母のために契約
GPS契約前は警察や市内放送、親戚に協力してもらいながら捜索していましたが、GPSを契約してからは位置情報がすぐにわかるので心理的に楽になりました。
事前に自由に行動できるエリアを設定していたので、エリアを出たら通知が届きますし、エリアを出ない限りは自由に歩かせてあげることができます。
その結果、本人も注意されるストレスから解放され、日中体を動かせるので夜間も安眠されるようになり、徘徊の回数自体を減らすことができました。

2.奈良県の方
認知症の父のために契約
認知症を発症してから、勝手にいなくなることがあり、家族が苦労していました。
GPSを使い始めてからはいなくなることはありませんでしたが、いつでも位置情報を確認できるというだけで安心感が全く違います。
認知症でなくてもGPSを利用していれば、離れて暮らす家族に対しても見守りとして役に立つのではないかと思います。

このように、「GPS端末」で位置情報を確認できるということは、それだけで家族や周りの人間にとって大きな安心感につながるといえます。

3.GPS端末を持ち歩いてもらうためには

所在を知るだけでも大きな安心につながる「GPS端末」ですが、実際に持ち歩いてもらうためにはどうしたらいいでしょうか。
老人は新しい習慣に馴染みにくい特性があります。
それに「GPS端末を持ち歩いてほしい」とお願いされても忘れてしまうことが多いもの。
確実に持ち歩いていただくためには普段使いのもの、外出の時に必ず持ち歩くものに取り付ける必要があります。
どのように持たせればスムーズに持ち歩いてもらえるのかは個人によりますが、例えば
●お守り袋に入れる
●専用の靴の底に入れる
●杖に取り付ける
●財布やポーチにキーホルダーとして付ける
●外出用カバンの底に入れる
などの工夫例があります。
これらの例が利用する人の生活スタイルに合わせるヒントになれば幸いです。

4.位置情報を把握出来ればどこからでも見守れる

GPSで位置情報を把握できれば家族にとってそれだけで「大きな安心」です。
当社のGPSは、インターネットさえつながっていれば、利用する人の都合に合わせてPC、タブレットはもちろんスマートフォンからでも位置情報を確認できます。
徘徊はただ歩いてる時に始まるとは限りません。
移動手段は様々で自動車、タクシー、バス、飛行機を利用して徘徊してしまうケースも考えられます。
そんなとき、「GPS端末」を持っていれば、どこにいたとしても位置情報の把握が可能です。
たとえ県をまたいで徘徊していても、見つけだし、迎えに行くことができるのです。
老人、家族双方の安心のためにも、不安に思った段階でGPSを導入しておけば以後の心配を減らすことができるでしょう。

参考記事
・行方不明を防ぐ・見つける 市町村・地域による取り組み事例(厚生労働省)
・行方不明になった認知症高齢者等に関する実態調査結果及び取組について(第2回認知症高齢者等にやさしい地域 づくりに係る関係省庁連絡会議)

https://www.ninchisho-haikai-gps.com/gps_rn/wp-content/themes/cure_tcd082/img/common/no_avatar.png

執筆:岸田 梨江(介護福祉士、管理栄養士)
知的障がい児支援に10年携わり、現在高齢者介護施設勤務
豊富な経験を基に様々な視点から情報を提供いたします。

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